■トップインタビュー
取材年:2019年
新しく導入されたUV印刷機械。これまでは印刷後はインクを乾かす工程が1日必要だったが、UV照射することですぐに次の工程に回せるそう。紙も巻き取り紙を使いコストパフォーマンスでも差が出るそうです。
今ダイナミックに変わりつつある長崎駅から幸町にかけてのエリアに建つ、インテックスの社屋。内田信吾社長のお話です。
「JRの高架化に伴い、3年前に少し社屋の増改築をしました。それに合わせて西日本で初の最新鋭の印刷機を導入しました。両面印刷のUV印刷機で速乾性に優れており、工期も短縮できます」
印刷業といえばデジタル化の影響を一番受けたものの一つですね。
「かつて10兆円産業と言われた印刷市場は約半分に縮小しています。しかし、私どもの仕事は本来印刷だけでなく、その先の商品の売り上げを伸ばしたりブランディングで商品の価値を高めたりすることが本質であると考え、仕事の範疇も広げています」
地域の紙媒体や市町村の広報誌を電子化する「Eブックス」もその一つですね。
「はい。紙媒体は年月とともに紙質が劣化して読めなくなります。そこで、スキャニングして地域の記録を保存して誰でもアプローチできるようにして長崎文化の価値を高めたい。そこに、印刷会社としての使命を見出しています。この業界は大きく変革していて今どう手を打つかで将来が決まるわけで、ここ数年採用する人材には、5年後10年後会社の中心での活躍を期待しています。メディアの発信自体が刻々と変化していく中で、若い人の感性が試される職場ですよ」
どんな人材を求めていますか。
「いろいろなことに興味のアンテナを張り巡らせる多感な人。自分の考えに凝り固まるのではなく、人の意見に耳を傾ける素直さも大切です。当社は営業から生産現場へ、また印刷からデザインへなど担当部署が変わることがあります。そうすることで物の見方の柔軟性も養われます。決まった職種を希望する人より、インテックスという会社で働きたいと言ってくれる人材を採用したいですね」
この業界では珍しく週休二日制を導入したのも求人を意識した動きなのだそうです。
「数年後には社屋の隣にサッカースタジアムができます。変わる地域の中で、インテックスらしい新しい取り組みと可能性に注目してほしい。新しいビジネスをやりたい人、サッカー好きな人も(笑)」
PROFILE
内田信吾さん
代表取締役社長
1966年長崎生まれ。1987年東京工芸大学写真応用科卒業後、広告代理店、出版社での撮影業務を経て1989年~93年渡英。フリーランスで活躍後1995年インテックス入社。2017年より現職という「まだまだ新米社長です」好きなことは写真、放浪、俳諧、美食、美酒。好きな言葉は「なんくるないさぁ~」
■社員インタビュー
取材年:2019年
頼れる先輩と協力してつくる楽しさと感動があります
西口映刀さん
各課が配された広いフロアの一角に制作課があります。「制作の仕事は、ある程度の見本はあっても正解は自分で探さなければいけません。奥が深く、難しいところでもあります」と西口さん。
入社3年目の西口映刀さんは、制作課でチラシやリーフレットのデザインを担当しています。
「子どもの頃から絵を描くのが好きで、絵に携わる仕事に就くのが夢でした。前職はリフォーム会社で内装や塗装の仕事をしていたのですが、ポスターのデザインに興味を持ちました。ハローワークの就職訓練でフォトショップの使い方を教わり、独学でスキルを勉強していたのですが、インテックスで求人が出ていたので思い切って応募しました」
他社のデザイン職は2年以上の経験が必要とうたわれる中、こちらだけが「未経験でも可」という一言があり、それが決め手となりました。
「僕としてはデザインの近くにいられれば十分、という思いでした。入社後に配属されたのは生産課で、大きなオフセット印刷機を前に茫然としました。使われる紙は600㎏以上の重いロール紙で、手で転がしながら移動させます。要領がわかるまで毎日悪戦苦闘でしたが、先輩方が、これは何のための作業なのか、次にどんな工程につながるかなど丁寧に教えてくれ、ひとつながりで覚えることができました。印刷の場合、ミスが起きると損害が大きいので、現場ルールが徹底しています。ミスを共有するしくみもあって『それはなぜ起こったのか』と分析して、再発防止に取り組みます。まわりに助けられながら仕事が身につきました」
そうやって作り上げたものを手にした時はどんな気分でした?
「自宅にきた新聞の中に初めて自分が関わったチラシを見つけた時は、感無量で、思わず家族に自慢しました(笑)。今は念願の制作課に変わりましたが、生産現場での経験は生きています。例えば、折り加工のある制作物は、PC上では平面でも、最終的な仕上がりのサイズ感がわかるようになりました」
今後はデザインもイラストもこなしながらクライアントに喜ばれる制作物を作っていきたい、と西口さんは語ります。彼のような若くてポテンシャルの高いスタッフが、変化の激しい印刷業界を牽引していくのでしょう。
頼れる先輩と協力してつくる楽しさと感動があります
株式会社インテックス
西口映刀さん
県内外の美術館に足を運びクリエーターの絵に刺激される
「毎日先輩方に助けてもらいながら仕事していますが、いずれ自分から提案できるようスキルアップしたい」という西口さん。休日はよく美術館を訪れ、さまざまなクリエーターの作品を目にしているといいます。先日も原田治氏の展覧会を目的に東京まで足を延ばしました。「ネット上と、原画を生で見るのとでは印象が全く違いました」
スマホのスケッチアプリでイラストを描く試みもだいぶ上達しました。「今までは紙と鉛筆で描いていましたが、新しいツールを使うとまた違う面白さが見えてきます」
インテックスで印刷製本した書籍の中には『グラバー魚譜200選』(長崎文献社発行)など全国造本装丁コンクールで入賞したものもあります。
■企業概要
株式会社インテックス
所在地 | 長崎市幸町6-3 |
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電話番号 | 095-826-2200 |
ホームページ | https://in-tex.co.jp/ |
設立 | 1965年 |
代表 | 内田信吾 |
資本金 | 1,000万円 |
社員数 | 全従業員 71名 うち正社員69名(男性51名、 女性20名) |
初任給 | 180,000円(大学院卒)、170,000円(大学卒)、150,000円(高校卒) |
休日休暇 | 土日祝(週休2日)、夏季休暇、年末年始 休暇、年次有給休暇 |
福利厚生 | 加入保険(健康・厚生年金・雇用・労災)、退職金制度、育児休業制度、介護休業制度 |
インターンシップ 受け入れなど |
インターンシップ受け入れ/有り 大学生アルバイト受け入れ/有り |
採用担当者連絡先 | 095-826-2200(眞弓)m_mayumi@in-tex.co.jp |