■トップインタビュー
取材年:2019年
長崎市浜市アーケードの中心に位置する浜屋百貨店は、いつの時代も長崎っ子にとって特別な存在。創業80年を越えて、居心地の良い空間とサービス、魅力ある商品を提供しつづけています。
「店舗建物は長い歴史のなかで増築や改装を重ね、最も新しい部分は観光通り側の棟になります。売り場内も、ずっと同じというわけにはいきません。1階の化粧品売り場には、昨年新しいブランドが3つ入り、近年増加してきた若いお客様を中心に人気です。2階の婦人服売り場にも、若い世代向けのセレクトショップをオープンさせました。さまざまなニーズに応えながら、つねに新しい取り組みやチャレンジをしています」
平成期に長崎でもいくつかの百貨店が閉店し、浜屋が市内唯一となってしまいましたね。
「私どもは、地元のお客様に愛される百貨店を目指して地道にやってきました。大村浜屋は私が長崎に来る前年に残念ながら閉店してしまいましたが、現在はサロンとしてサテライト営業をおこなっています。ほかに長与・道の尾・諫早・島原にサロンを展開していますが、これら小型店を強化していくことにより、それぞれの地域の利便性をより高めることができるでしょう。県央・県南のお客様をフォローできる体制をいっそう強固にしていきます。創業100年へ、将来的に私どもが生き残っていくためには、地元のお客様が何を求め、どんなサービスを望んでいるのか、これを突き詰めていくことだと思います。じっくりとお客様を見つめながら、一緒に成長していくこと。今後もぜひ続けていきたいと考えています」
若い人たちに期待することは?
「私は40年以上百貨店におりますし、従業員の平均年齢は45歳を超えています。企業には新陳代謝が必要です。若者に望むのは、既成概念に囚われない発想、若いバイタリティーを存分に発揮してくれること。学生時代に培った自由闊達さを、企業に持ち込んでほしいです」
PROFILE
栗山次郎さん
代表取締役社長
1952年大分県生まれ。少年期以降を福岡県で過ごし、西南学院大学経済学部卒業後、岩田屋百貨店に入社。バブル景気や平成不況など百貨店業界が大きく変化するなか、岩田屋三越の取締役常務執行役員を経て、2013年に浜屋百貨店専務取締役、翌2014年に現職に就任した。「従業員の笑顔が何より嬉しい」。栗山社長の気さくで朗らかな人柄が、長崎市民に親しまれる店舗運営にも息づいている。
■社員インタビュー
取材年:2019年
「森田君いないの?」顔や名前を覚えてもらえるとほんとうに嬉しいです
森田航介さんさん
地階の食品売場はいつも賑やか。なかでも旬のお菓子を取り揃えたお菓子売場は、見るだけでも心が弾みます。お客様との触れ合いと交わす笑顔が、森田さんら従業員たちの元気の源です。
2年目を迎えた森田航介さんは、栗山社長と同じく西南学院大学出身。長崎で生まれ育ち、自身の母親が浜屋勤務経験のある「浜屋二世」です。就職を決めたのも、自然な流れだったのかもしれません。
「会社の方針として、初めは必ず売り場に出されます。いくつかの売り場を経て適性を見ながら、いろいろな部署に配属されるわけです。現在私が働いている食品売り場と、百貨店のメインである服飾や化粧品売り場とでは、やるべき仕事もかなり違います。1年目の銘産コーナーで最初に戸惑ったのは、発注や品出しなど、接客以外の業務が想像していたより幅広かったことですね。商品がどう入ってくるのか、どう売れていくのか……とても勉強になりました。お客様にはご年配の方がたくさんおられ、話し方や接し方にも気を付けています」
この1年間で、接客のコツみたいなものはつかめましたか?
「贈答品やお酒を扱う銘産コーナーは、あらかじめ買うものを決めて来られる場合が多く、こちらから商品の良さを伝えてお勧めすることは比較的少ないと思いますが、それでも、声をかけてほしい方とそうでない方がいらっしゃいますよね。それを見極めながら、『お贈りされるお相手はどのような方ですか?』と、ご希望のものを一緒にお選びします。会話はキャッチボールと同じです。こちらが伝えたいことばかりではなく、相手が投げてきた言葉をしっかりと受け止めなければなりません。それにもちろん、大前提は笑顔です」
百貨店というと女性の職場のイメージも強いのですが、職場の人間関係はいかがですか?
「学生時代は英文学科だったので、その頃から周囲には女性が多くて。年齢層も幅広いですが、隔たりは感じていません。皆さん良くしてくださいますね。横の繋がりは、大卒で同期入社の3人がそれぞれ別の階で働いていますが、終業後に会って情報交換するなど仲良くやっています」
表情から充実感が伺える森田さん、接客を磨く日々が続きます。
「森田君いないの?」顔や名前を覚えてもらえるとほんとうに嬉しいです
株式会社浜屋百貨店
森田航介さんさん
カフェやバーを巡る休日客として職場を訪れることも
百貨店勤務は、皆が休みの時には忙しいイメージです。
「勤務はシフト制で、基本的に3日に1回休み、早出と遅出、開店の3つの時間帯があります。有給や連続休暇、土日休も売り場内で調整すれば大丈夫です。友人と会ったり、お気に入りのカフェなどでゆっくり過ごしたりするのが好きですね。あえて休日に会社(浜屋)に行くことも。中からだとわからない発見があります」
来ていること、バレません?
「バレます(笑)8階の催事場などに出かけて、どんな風にお客様が入っているか、どんな流れがあるのか。新しい店で買って食べてみたり、接客や売り方を観察したり……顔見知りのアルバイトさんから『今日休み?』なんて声かけられています」
浜屋で働く人たちの憩いの場所、職員食堂。定食からデザートまで提供しています。
■企業概要
株式会社浜屋百貨店
所在地 | 長崎市浜町7-11 |
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電話番号 | 095-824-3221 |
ホームページ | https://nagasaki-hamaya.jp/ |
設立 | 1937年6月 |
代表 | 栗山次郎 |
資本金 | 2億5,000万円 |
社員数 | 全従業員 303名 うち正社員131名(男性49名、女性84名) |
初任給 | 大卒181,000円、高卒150,000円 |
休日休暇 | 年間110日 ※当社シフトによる |
福利厚生 | 各種社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)・退職金制度・育児休業制度・介護休業制度・社内買物割引制度 |
インターンシップ 受け入れなど |
インターンシップ受け入れ/有り 大学生アルバイト受け入れ/有り |
採用担当者連絡先 | TEL.095-828-8450(里) mk.sato@n-hamaya.co.jp |