生鮮食料品の質は圧倒的な支持率の高さ

　長崎一の商店街がある浜町。目ぬき通りに店舗を構えるのは、老舗の総合スーパーマーケット「S東美」です。８階建ビルの地下１階から４階に揃うのは、食料品や衣料品、家庭用品など、私たちの生活を支える品々。佐々木達也社長は31歳の若さで代表取締役に就任して以降、30年以上に渡って地域に密着した店づくりを追求してきました。
「もとは、祖父が開いた雨合羽の店。その後、目まぐるしく変化する戦後の高度成長期にさまざまな業種経営に打ち込み、1966年に『東洋美装店』を開店したのが前身です。『東』と『美』を取って『東美』と社名を受け継ぎ、100年近い歴史を守りながら今に至ります」
　東美が最も力を注ぐのが、食料品部門。品質や産地にこだわった豊富な食材が揃い、地元の買い物客や観光客で賑わっています。
「スーパーマーケット差別化の鍵は、生鮮食品の質です。私たちの店でも、野菜をはじめ、魚、肉、手作り惣菜などに力を入れ、お客様に満足していただけるよう努めています」

固定５店舗に加え移動式スーパーも好評

　現在では長崎市内に５店舗を構えるSマート。近年は、軽トラックを使用しての移動式スーパーにも取り組んでいます。
「品揃えが豊富な大型スーパーとは違って、“必要なものを必要なだけ”詰め込んだ移動スーパーは、細い坂道で車両の出入りが困難な地区や、高齢者の多い地区の“買い物難民”といわれる方々から『すごく助かる』という声をいただいています」
　どのような人材を求めていますか？
「とにかく明るくて元気な人。あとは、すぐに気付いて動ける人ですね。例えばゴミが落ちていたら、誰よりも先にサッと拾う。そんな気遣いは大切で、全ての仕事に通じます」
　佐々木社長が目指すスーパーマーケットの姿とは？
「『この店が近くにあって良かった』と言ってもらえるようなお店です。食べ物は、私たちが生きる上で欠かせません。その意味で、私たちは大変重要な使命を担っています。長崎は魚や肉をはじめ農産物も豊富ですし、地域に根付いた食材の品質向上にも力を入れていきたいですね。まだまだこれからです」