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信栄工業有限会社

■トップインタビュー

取材年:2021年

金属加工からプラントまで
「これが欲しい」を実現する
ことづくりから始まるモノづくり

工場内のラボ。ここではさまざまな機械の試作品が生まれるそうです

お得意様からの相談からキックオフ

 小ヶ倉工場地帯の一画にある信栄工業の2代目社長である樫山和久さんにお話を聞きました。
「もともと先代が旋盤士で、金属加工から始まった会社です。今では女神大橋から南の工場のほとんどがお得意さんです。仕事の多くは先方から、ちょっと相談がある、と声がかかります。営業が売り込みをするというより『待ち』の体制で仕事が入ってきます」
 顧客から声がかかるというのはどういうことなのでしょう。
「例えばお客様が『何か新しいことをしたい』『これまで使っていた機械が古くなって困っている』といった要望があると私が現場に行って提案します。既存の物を作ることもあるし、生産効率を上げるために新しく進化したものも作ります。生産管理や品質管理のコンサルタントを行うこともありますよ」
 社長自らが有能な営業マンなのですね。行政関係の仕事もされているとお聞きしました。
「例えば『アシスト手すり』は、以前稲佐山のゴンドラを設計した実績を買われて始めた長崎大学医学部の先生との共同プロジェクトで、斜面地に電動で動く手すりを取り付けて上りを楽にするものです。歩いて健康を維持しながら、生活がしやすくなる。ゴンドラタイプと比べ、設備費は1/10というのも評価され、長崎市から受注しました。そのほか、大学や関東の自治体、国の研究機関との産学官連携プロジェクトも年に数本関わっています。我が社の基本は『ことづくりをしながらモノづくり』。まず、『こういうことが欲しい』という声があり、そこからアイデアを出し、形にしていくのです」

工学×経営学をOJTで身に着ける

 社員も経験値があがりそうですね。
「図面も引かせれば現場にも行かせます。メンテナンスの仕事も多いですね。言ってみれば工業と経営学のミックスをOJTでやるようなもの。人材はI、Uターン、外国人の優秀な方も歓迎ですよ。私自身が長崎漁船装備品工業協同組合の理事長なので、数社でホールディングスを組んだり、外国人就労者のコミュニティを作って共同で福利厚生を行うなど、将来を見据えて広い視野で考えています」

PROFILE

樫山和久さん

代表取締役社長

1965年生まれ。山口大学大学院技術経営研究科卒業(専門職学位)。1988年~1995年アンリツテクニクス(株)(現アンリツインフィビズ(株))に勤務。同年、信栄工業入社。2006年より現職。休日は魚釣りやバイクでの1Dayツーリングで過ごす。お気に入りの場所は朝日を見ながら魚釣りができる伊王島の沖。就活する学生に一言メッセージ「常に自分で責任をもって行動すること。そして人の話を理解して、相手の気持ちを理解できる人間力を持ってほしい」

■社員インタビュー

取材年:2021年

「なんでもやって大変」は面白さ
いろいろ体験できるメリットがある
「いいね」が次のモチベーションに

大学で学んだ知識を現場でさらに磨く日々

古城功一朗さん

電気で動くミニバイク。なんと折り畳みができて車にも積めるという機動性があります。このほか電動ミニカーも作りました。

図面から現場までマルチタスクに

 古城功一朗さんは総合科学大学で機械工学を学び、入社して7年目となります。こちらでは図面から現場まで、マルチタスク的にこなすんですね。
「40年以上前の大型機械がガタが来たから、新しく作りなおして交換してほしい、といった注文もありますね。図面がなければ、物をメジャーで寸法を測りながら、CADで図面を起こして、部材別に使う量を算出します。それが、船の部品だったりボイラーの工場の一部の装置だったり、まったく違うジャンルの仕事も来るので面白いですね。また、使いやすいように形を変えたり機能を足したりもしていきますから、やりがいもありますよ」
 聞いているだけで、ハードルが高そうです。
「僕も最初は専門用語の一つひとつがわからず、ベテランの先輩の後について、作業を後ろから見ていましたね。ものを測るところからいっしょにやらせてもらったりして」

斜面地のアイデア機器にも携わる

 「アシスト手すり」も古城さんが関わったと聞きました。
「はい。人が使うものですから特に安全面や使いやすさは必要なのですが、斜面地の階段は高さが均等ではないし、その中で一定の高さを保つこと、持ち手の形状なども試作品を作って工夫を重ねました。苦労はしたけれど、実際に住民の方に使っていただき『あ、これいいね』と言っていただいたときは、報われたなと思いました」
 エンジニア志望の学生に、会社の良さをアピールしてください。
「そうですね。例えば普通の会社は溶接は溶接だけ、機械加工は機械加工だけという工場が多いと思います。我が社の場合、溶接も機械加工もするし図面も書くしお客様のところにも出向きます。『なんでもやんなきゃいけなくて大変じゃん』となるかもしれないけれど(笑)実際大変なんだけど(笑)。逆にいろいろな経験ができるメリットがあります。メンテナンスでは緊急性も高く困っていたお客様が『助かったよ、ありがとう』と言ってくださるとモチベーションも上がります。普段は絶対立ち入れないような大手メーカーの工場に入れるのも面白いですよ」

大学で学んだ知識を現場でさらに磨く日々

鉄板から部品を切り出すこの機械は入荷したばかり。コンピュータで操作するもので、アイデアを形にするには欠かせないマシン。

■企業概要

信栄工業有限会社

所在地 長崎市小ヶ倉町3丁目81-2
電話番号 095-878-4621
ホームページ https://www.shineikougyou.com/
設立 1974年
代表 樫山和久
資本金 500万円
社員数 全従業員 6名 うち正社員5名(男性3名、女性2名)
初任給 能力に応じる
休日休暇 土・日・祝(週休2日)、夏季休暇、年末年始休暇、年次休暇ほか
福利厚生 各種社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)、退職金制度・資格取得補助制度
インターンシップ
受け入れなど
インターンシップ受け入れ/有り
大学生アルバイト受け入れ/無し
採用担当者連絡先 095-878-4621(樫山和久)
shinei-k@jeans.ocn.ne.jp

信栄工業有限会社

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