■トップインタビュー
取材年:2018年
建築や土木工事のほか、木質バイオマスボイラの開発などのエネルギー事業を手がける三基は、幅広いジャンルに挑戦し続ける会社です。山口雅二社長にお話を伺いました。
「20年前から環境にやさしい再生可能エネルギーにビジネスチャンスを見出し、木屑などの有機質資源を燃料としたボイラを開発しました。重油より安く環境負荷も少ないものです。東京ビッグサイトの環境展に出展したところ全国から問合せがあり、現在は全国15カ所に導入されています。また、独自の技術を用いた浮桟橋を開発し、沖縄を中心に設置が進んでいます。建設業は受注産業なので、公共工事だけでは限界があります。我が社では新しい発想を商品化する営業開発部やエネルギー事業部など単独セクションで事業を進めています」
長崎商工会議所の副会頭も務める山口社長は、自社の発展だけでなく、より高い視座から、長崎全体の活性化を考えています。
「過疎化は長崎の大きな問題ですが、廃校になった学校を再生させる事業も考えています。バイオマスボイラを使いながらの水耕栽培や、災害時の避難場所として使えるコミュニティなど、活用を模索しています。賛同してくれる会社があればコラボレーションもいいですね」
ところで近年、新しい制度を導入したそうですね。
「外部の専門家を入れて新しい人事評価制度を導入しました。具体項目で評価し、みんなが納得する形で給与や待遇に反映させていく評価の“見える化”です。また、『えるぼし』や『健康経営優良法人2021』の認定を受けました。健診受診や禁煙制度、メンタルヘルスなど5つの項目を遵守することで、社員の検診も補助が受けられるメリットがあります。しかし一番のメリットは社員が健康であれば生産性も効率も上がるということです」
建設業界というと、古い体質のイメージがありましたが、こちらは着々と進化し続けているのですね。
PROFILE
山口雅二さん
代表取締役社長
1955年長崎市生まれ。福岡大学商学部卒業後、1981年、入社。1997年より現職。長崎県建設工業協会組合副理事長や長崎県港湾漁港建設業協会会長、2016年より長崎商工会議所副会頭。会社の創業は1951年。島原営業所、諫早営業所ほか、2005年には福岡支店開設。2008年~2016年グラバー園の管理運営を手がける。
■社員インタビュー
取材年:2018年
年に2回は上司と面接で評価項目別にヒアリング。努力は評価されて給与やボーナスに反映されます
西田大樹さんさん
経理の業務は一通りこなせるようになった西田さん。誰かが休んでもカバーできる合理的なシステムなのです。戦力としても頼りにされています。
日々の領収証などの伝票入力、給与計算、社会保険の手続き。入社7年目の西田大樹さんは、経理部の若手ホープです。
「我が社は5月決算なので、今は決算業務に追われています。これまでは完全担当制だったのですが、今は経理全般を一通り経験しています。3年間で全体が見渡せるようになりました。今後は決算も一人でこなせるようになるのが私の課題です。人事評価制度も導入されましたので」
人事はデリケート。そのわりに社員同士で情報も流れますから、みんなが納得するフェアなシステムなら大歓迎ですね。
「はい。どうしたら経費が節減できるか、比較表を作って提案するのです。例えば男性が5日連続で育児休暇を取ると、労働局から助成金が出るとか。今は補助金や助成金は多種類あります。自分で調べたりセミナーに参加したりして情報を集め、業務改善を提案することで会社の福利厚生にもなります」
評価制度導入前と後では違いますか?
「年に2回、上司と面接があって、業務を細かく項目分けして採点されるのですが自分の仕事を客観的に見られるし、苦手分野も自覚できるようになりました。努力が給与やボーナスに跳ね返り、ちゃんと評価されている実感がありますね」
この会社に入社したポイントは?
「家から近くて初任給が高かった(笑)。それに、社長が若者を育てる気概のある方と知りました。でも入社するまでは建設業って工事現場でコンコンって作業する会社だと誤解していました。3Kとか。実際には公共工事を受注して現場監督をしたり測量をしたり…全然イメージと違っていました。加えてここはバイオマスや太陽光発電事業、不動産賃貸業など、多岐にわたっており興味がつきません」
3年間努力して難関の建設業経理士1級や宅建に合格した西田さん。そしてゆくゆくは税理士の免許も目指しています。
「30歳まではがんばって勉強しようと決めています。それが自分の糧になって仕事に活かせるし、評価される会社ですから」
年に2回は上司と面接で評価項目別にヒアリング。努力は評価されて給与やボーナスに反映されます
株式会社三基
西田大樹さんさん
積み立て有給休暇制度で気持ちに余裕あり
休日に遊ぶ友達がいなくなるから県外に行く気はなかったという西田さん。同級生の何人かは県外に出て東京などで就職しているそうです。「たまにこちらに帰省すると会うのですが、みんなめっちゃくちゃ寂しそうで、あっちに戻るのが嫌だとか言っています。都会の生活も思ったほど楽しいわけではないようです」
仕事を頑張るためにも、休日は充実させたい、そんな西田さんにとってこちらは有給が取りやすいことも魅力の一つ。「それに積み立て有給休暇制度というのがあって、最大40日積み立てられます」
病気や入院にも備えられ、育休にプラスすることもできるのだそうです。いいシステムですね。
海上のコンクリート工場ともいうべきコンクリートミキサー船「グラバー」も港湾事業で活躍中。
■企業概要
株式会社三基
所在地 | 長崎市大橋町22-14 |
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電話番号 | 095-847-7171 |
ホームページ | https://www.sanki-nagasaki.co.jp/ |
設立 | 1951年7月 |
代表 | 山口雅二 |
資本金 | 2,000万円 |
社員数 | 全従業員 66名 うち正社員66名(男性58名、女性8名) |
初任給 | 大学卒 179,000円 |
休日休暇 | 105日 1年単位の変形労働時間制(4月~6月:完全週休2日・7月~3月:隔週土曜日休日) |
福利厚生 | 退職金制度有・雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金・建設業退職金共済制度・中小企業退職員共済制度 |
インターンシップ 受け入れなど |
インターンシップ受け入れ/有り 大学生アルバイト受け入れ/無し |
採用担当者連絡先 | 095-847-7171(木寺) yuuji-kidera@sanki-nagasaki.co.jp |
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