■トップインタビュー
取材年:2019年
長崎の主要港から西日本までと幅広いエリアで海運輸送を行っている崎永海運株式会社。海運業とは実際はどういった事業なのでしょうか?
「タグボートと呼ばれる小型の船で、重量構造物を載せた台船を牽引し、目的地まで荷物を運ぶ海上での輸送業を行っています。長崎は造船業が盛んな町なので、造船に関する輸送が多く、ブロックと呼ばれる船のパーツを主に運んでいます。三菱重工をはじめとする関連会社のある長崎港内、大島造船所、瀬戸内海近辺の今治造船所へ輸送することもあります」
他にはどういったものを輸送するのでしょうか?
「離島からの物資や作業車などの輸送も行っています。人々の生活の手助けにもなるルートを担うことも海運業の大切な使命だと考えています。例えば高島にはゴミ焼却場がありません。週に2回はゴミ収集車を載せて長崎港まで運びます。1994年の九州北部が渇水に見舞われた時は、5ヵ月に渡って水を運びました」
船での仕事は体力的にも大変なイメージがあります。
「仕事内容にもよりますが、2週間航海に出る時などもあり、体力や精神力が鍛えられる職場ともいえます。そんな船の仕事だからこそ、仲間意識を大切にして、人間関係が良好で風通しの良い職場を目標にしています。年に1度はストレスチェックと呼ばれる質問シートでコンピュータ判定も。普段から社員とミーティングの場を設け、休日取得などもしやすいよう、働きやすいようにと余剰人員も一割保有しています」
余裕を持って社員が働けるような環境をバックアップしているのですね。会社としてはどういった人材を求めているのでしょうか?
「弊社は台船を40隻、タグボート20隻を所有し、西日本有数の規模でもあります。今後は海の輸送に携わる、広い視野での事業展開を考えています。崎永海運が目指しているのは、人、仲間が集まる求心力があり、チームワークの高い会社。海で働くこと、海で働く人に魅力を感じる人を待っています」
PROFILE
北川栄太さん
代表取締役社長
1975年生まれ。長崎大学工学部社会開発工学科卒。建設業で培った営業力を他のジャンルでも活かしたいと2007年に入社、2015年より現職に。長崎市丸尾町に接岸している「むつ丸」から見る波穏やかな長崎港の景色が一番のお気に入り。特に好きなのは赤く染まる夕景の時間。
■社員インタビュー
取材年:2019年
無事荷物を届け、到着を喜んでもらえた時にやりがいを感じています
斉藤洋輝さん
「海上を走る風が心地良いですね」と斉藤さん。船上ではエンジン音や風の音で聞こえにくいため船長とは無線で連絡。船を着岸する時が一番緊張するそうです。
斉藤洋輝さんは崎永海運へ2017年に入社。現在は港運課に所属し、船員として働いています。
「以前は船の溶接や艤装など造船関係の仕事をしていました。転職を考えていた時、地元でお世話になっている先輩が崎永海運株式会社に勤めていて、会社の話を聞くうちに興味が湧き、入社を決めました。今は20トン未満の荷物を載せた台船を曳く船に乗っています。大島造船所など長崎港以外での作業が月の半分ほどあります」
実際に船での仕事はいかがですか?
「予想より大変で最初は驚きました。一番難しいのは天気の影響を受けた時の輸送対応です。船で物資の運搬をするので、天気予報や潮の流れ、満ち引きなども詳しく事前に調べています。いくら準備していても、自然が相手なので急に雨や風が強くなるなど環境が厳しくなる時も。大切な荷物を運んでいるので海が荒れた時は特に気が抜けません。その場で臨機応変に対応する柔軟さが必要だと思います。担当の船は一隻に船長と私の2人。長い時は1週間乗船します。食材を持ち込んで船で簡単な料理も。船の上で食べるちゃんぽんは格別です。2人だと特に迷惑をかけられないので体調管理に気をつけて、お互いを信頼しつつ責任感を持って仕事をしたいと思っています」
日頃のコミュニケーションも大切になりそうですね。
「普段から先輩たちと社内でもよく話すようにしています。海や船のことはまったく分からなかったのですが、先輩たちがしっかりと教えてくれました。『子どもとここに遊びに行ったら楽しかったよ』と声をかけてくれたり、仕事のことだけでなく育児や趣味のことまで話せる雰囲気にいつも助けられています。これからも先輩を見習って、誠実に仕事をしていきたいです」
無事荷物を届け、到着を喜んでもらえた時にやりがいを感じています
崎永海運株式会社
斉藤洋輝さん
消防団に所属して地元の防犯や防災にも貢献
オンオフの切り替えを大切にして、休日は趣味の釣りや、子どもと一緒に遊ぶことでリフレッシュしているという斉藤さん。地域活動にも取り組み、地域の消防団に所属しています。
「ペーロンに参加していた時の繋がりもあって、地元に貢献したいという思いから消防団に入りました。安全にお祭りをするために立ち会ったり、消防車などの消防設備の自主点検などを行っています。消火栓の確認や、地域を廻って防災や防火の呼びかけなどの活動も。『火の元に注意してくださいね』と直接話すことで安心してもらえるようです」
普段の放水訓練に加えて、所属している分団で消防団の大会にも出場しました。
「交代で出場するため7、8年に1度のペースでしか出場の機会がないので頑張りました」と明るく語ります。
無線の電池切れや不具合がないかなど、備品の事前準備を念入りにすることが必要。荷物や船を固定するためのロープの点検も重要な仕事のひとつです。
■企業概要
崎永海運株式会社
所在地 | 長崎市浪の平町4-11 |
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電話番号 | 095-825-8343 |
ホームページ | https://www.sakinaga.co.jp/ |
設立 | 1961年1月 |
代表 | 北川栄太 |
資本金 | 2,000万円 |
社員数 | 全従業員 96名 うち正社員65名(男性61名、女性4名) |
初任給 | 高卒270,000円 |
休日休暇 | 週休2日、年末年始、有給休暇 |
福利厚生 | 各種社会保険(健康保険・船員保険・厚生年金・雇用保険・労災保険・退職金制度・資格取得補助制度・育児休業制度・介護休業制度)ほか |
インターンシップ 受け入れなど |
インターンシップ受け入れ/無し 大学生アルバイト受け入れ/無し |
採用担当者連絡先 | 095-825-8343(村岡) muraoka@sakinaga.co.jp |