■トップインタビュー
取材年:2018年
長崎港の一角、出島町にある長崎税関の傍らで、長崎の物流を支えつづける後藤運輸。牧正康専務取締役の快活な笑い声が響きます。
業務内容が多岐にわたっているように思えますが、「運輸業」と表現していいのでしょうか。
「当社の仕事を、あえてひと言で表すならば『国際物流』でしょう。他社と大きく違うところは、国際貿易を扱う点です。
たとえば、三菱重工の製品を海外へ送る際、その特殊な形状に合わせた梱包を設計から手がけ、保管、通関手続き、そして輸送という一連の流れをすべて当社で行います」
通関……海外旅行でもしない限り、税関を意識することはありませんでした。
「そうかもしれませんね。私たちの身の回りにある日用品のうち、完全に国内だけで作られたものはほとんどないでしょう。誰かが外国から材料や製品を輸入したことにより、それらを使えるわけです。ですから、国際貿易を総合的にサポートしている私たちは、生活を陰から支えているという自負があります」
社名の「後藤」というのは、どなたの名前ですか。
「幕末から明治にかけて活躍した神戸の実業家・後藤勝造氏の㈱後藤回漕店が、三菱重工の依頼に応じて開設した長崎出張所が当社の始まりです。1949年には、長崎県の要請で『後藤運輸』として事業を継承しましたが、後藤氏への敬意を込めて、名前はそのまま使用させていただいています」
社名に会社創業の歴史があるんですね。
「長崎と貿易との関わりにも、400年の歴史があります。出島という特別な場所で国際物流の仕事に携われるのは、本当に幸運なことだと思っています。
物流は人々の快適な生活のために不可欠なものですが、当社のような存在はあまり知られていません。現在活躍中の社員たちにも、実際に会社を見に来て初めて業務内容を知ったという者も多いです。ぜひ一度話を聞きに足を運んでもらいたいですね」
後藤運輸の本拠地・出島は、今も昔も海外へと開かれた窓なのでした。
PROFILE
牧 正康さん
専務取締役
1973年長崎市生まれ。
神戸・後藤回漕店の長崎出張所として海陸運送を始め、後に事業継承した「後藤運輸」創業者の1人・牧定男氏の孫。現社長・牧文春氏は父親にあたる。1999年に入社し、現在は専務取締役として腕をふるう。
■社員インタビュー
取材年:2018年
難関国家資格「通関士」の在籍数は県内随一。早く取得して業務に幅を持たせたいです
川原 梓さん
さまざまな輸入建材が収められた倉庫にて検品作業する川原さん。庫内にはクレーンがあり、大切な荷物を傷つけることなく移動します。
入社4年目を迎え、ますます意欲的に仕事に取り組む川原梓さん。県外の大学からUターン就職という形で、長崎に戻りました。
「大学3年生の時に、商工会議所青年部のイベントスタッフを経験したのですが、それをきっかけに自分の地元である長崎の活性化に貢献したいと考えるようになりました。最初に当社について知ったのは、長崎の企業を調べていた就活情報サイトです。実際に会社を訪ねて話を聞いて、納得の上で入社を決めました。
当時は豪華クルーズ船『アイーダ』建造の大詰めで、社内が大忙しの真っ最中。1年目は輸入の通関業務に従事しており、覚えることが多くて無我夢中で過ごしました。
現在は、香焼地区の三菱造船の長崎調達グループに駐在しています。LPG、LNG船といったガス運搬船の船体ブロックや居住区、エンジンケーシング、機関室ユニットなどを韓国の工場へ海外調達しているのですが、そちらに部材を送り、造られたものを輸入するという仕事です。韓国のメーカーと連絡を取り合いながら、支給品関係、納期調整から入荷出荷まで、さまざまな手続きをしています。先方には日本語が達者な方も多いので助かっていますが、必要があれば英語も使います」
いろいろと経験し、3年間ですっかり成長したんですね。
「実は1年目に通関士の資格にチャレンジしたんですが、まだ知識が薄かったらしくて……合格率が10%ほどでなかなか難しいものの、通関保税業務に関わる上で役立つ資格なので、取得できるよう頑張りたいです」
就職活動中の人へアドバイスはありますか。
「私の経験から学生さんたちに助言するとしたら、さまざまな立場の人と交流できる場に、積極的に参加するのがいいということでしょうか。社会に出て必要になってくる、聞く力・話す力を身に付けながら、視野を広げていってほしいです」
ポジティブな言葉に明るい笑顔の川原さん、頼れる先輩として新入社員を導いてくれそうです。
難関国家資格「通関士」の在籍数は県内随一。早く取得して業務に幅を持たせたいです
後藤運輸株式会社
川原 梓さん
地元長崎だからこそ、家族や友人に支えられ
業務によって多少違いはあるものの、事務職は基本的にカレンダー通りの週休2日。仕事にプライベートに、充実した日々を過ごす川原さんです。
「終業後に同僚と飲みに出かけたり、休日にのんびりしたり、いい具合に気分転換できています。映画を観るのも好きですし、思い立ってふらっと旅行をすることもあるんですよ。卒業後に全国に散らばっていった大学時代の友人、高校まで一緒に過ごした地元の同級生たちなど、友だちと一緒の旅は楽しいですね」
今年のGWは、お母さんとシンガポールを訪れたという川原さん。楽しい写真を見せてくれました。
「地元だからこそ、家族や友人たちの存在に支えられ、心強く感じています」
倉庫内に一時保管された輸出品。梱包ケースの設計・製作から手がけるので、安全に運べるのです。
■企業概要
後藤運輸株式会社
所在地 | 長崎市出島町2-16 |
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電話番号 | 095-824-0510 |
ホームページ | http://www.gotounyu.co.jp/ |
設立 | 1949年 |
代表 | 牧 文春 |
資本金 | 6,000万円 |
社員数 | 全従業員 167名 うち正社員149名(男性122名、女性27名) |
初任給 | 180,000円 |
休日休暇 | 土日祝、年末年始 6カ月経過後の年次有給休暇日数10日 |
福利厚生 | 加入保険(健康・雇用・労災)厚生年金退職金制度有(勤続3年以上) |
インターンシップ 受け入れなど |
インターンシップ受け入れ/有り 大学生アルバイト受け入れ/無し |
採用担当者連絡先 | 095-824-0512(荒木) shuko-araki@gotounyu.co.jp |