■トップインタビュー
取材年:2021年
日本一離島数が多い長崎県。九州商船株式会社は、長崎・佐世保と五島列島を結ぶ定期航路を通じて、地域社会を支える役目を担っています。美根晴幸社長のお話です。
「航路の維持や新船の導入など最低限の取り組みに留まらず、新たな分野にも積極的に参入する姿勢が重要だと考えています。一例を挙げますと、10年ほど前、グループ会社の九商マリンエクスプレス株式会社が、貨物輸送の分野に参入しました。車両輸送に特化したRORO船を2隻所有しており、コロナ禍の影響が少ない分野でもあります。グループ全体が力を発揮する上で、大きな助けになっています」
ほかには、どのような取り組みがありますか?
「奈良尾港~有川港などの上五島内と熊本港~熊本駅の各ルートで、無料シャトルバスを運行しています。例えば、島原にお住いの方々は、熊本へ買い物に出かけられる機会が多いと聞きますが、熊本港から市街地までは距離があります。無料シャトルバスの特徴は、車をお持ちでない方にとって、時間的にも経済的にも負担が少なく済むところです。最初に運行を始めた奈良尾港~有川港ルートは、シャトルバスの導入により船の収益も上がりました。収益とサービスは密接な関係にありますが、シャトルバスはその典型的な事例と言えます」
五島列島を対象にした、滞在型事業も展開していると伺いました。
「長崎の離島を訪れる観光客はリピーターが少ないという点に着目しました。旅行ではなく、魚釣りなどを通じて、島ならではの生活をエンジョイしていただける商品を、現地コーディネーターが企画しています。お客様が増えれば島も潤い、魅力発信につながりますし、もちろん利用客の増加にもつながります」
今後の展望はいかがでしょうか。
「交通形態の変化や他社との競争が続く中、失敗は許されません。そのためには、目の前にあるさまざまな取り組みを確実に継続することが、発展への近道ではないでしょうか」
PROFILE
美根晴幸さん
代表取締役社長
1946年兵庫県姫路市出身。東京大学経済学部を卒業。1976年大阪弁護士会登録、1981年美根法律事務所開設。1986年より九州商船株式会社の監査役を務め、2006年12月26日に代表取締役社長に就任。趣味は週1回のジョギング。休日は仕事から離れ、ゆっくり過ごす。「就活中の方は、自分の能力を見つけ、伸ばしてください」
■社員インタビュー
取材年:2021年
知識ゼロからのスタート。経験と勉強を積んでシステム管理を極めたい!
中村友梨香さん
システム管理業務はオフィスワークが中心。遠隔地のシステムに関する処理もリモートで行うことが可能です。
入社3年目の中村友梨香さんは、香川県高松市出身。大学生活を京都で過ごしたと言いますが、なぜ長崎で就職しようと思ったのでしょうか。
「大学2年の頃、上五島を旅した時に大好きになりましたが、就職は友人たちと同じように関東や関西でするんだろうなぁと思っていました。でも、イメージする職種や業種に出会えず、就活サイトで見つけたのがこの会社でした。いつでも五島に行ける環境があり、職種も希望通り。知らない街に住んでみたい、地方に行くチャンスは今しかないと、すぐに履歴書を送りました。そこから内定をいただくまで、自分も驚くほどとんとん拍子でした」
慣れない街で社会人生活がスタートしたのですね。
「はい。楽しくて楽しくて! 今は難しいですけれど、休日には九州各地を回っています。本当に長崎に来て良かったです」
経営管理部では、どのような業務を担当しているのですか?
「社内で使用する予約システムやパソコン関係の管理業務です。本格的な修理やトラブル対応は、専門業者におまかせしますが、動きに不具合が発生した場合は、一旦こちらで様子を見てから相談するなど、現場とのパイプ役を任されています」
大学では外国語を専攻していたそうですね。そもそも理系とは無縁だったのでは?
「はい、実はそうなんです。でも、やってみると面白い。トラブルを自分で解決できた時の喜びは格別ですし、できなかったことができるようになる、自分に対して意外な発見がある仕事です。とはいえ、まだまだ分からないことばかりなので、先輩に教わりながらですが。何とか追いつこうと、参考書を読んで勉強もしています」
憧れの先輩を教えてください。
「以前、同じ部署だった女性です。どんなことも絶対に断らないし、分からないとも言わない。時間がかかったとしても、必ず回答する姿に憧れています。私も先輩をお手本に、この分野を極められればと思います」
知識ゼロからのスタート。経験と勉強を積んでシステム管理を極めたい!
九州商船株式会社
中村友梨香さん
身近な場所でも長崎の魅力はたくさん発掘できる!
中村さんの部署は、トラブルが発生しない限り残業はなく、土日も休み。休日の過ごし方は、断然、アクティブ派だとか。「朝早いフェリーに乗れば、翌日には帰って来れるので、土日の休みに何度か五島へ遊びに行きました。奈留島では、レンタル自転車で島を周りました。一人旅も楽しいですよ」
ほかには、どんなところを周りましたか。「温泉が好きなので別府は気に入っています。ふらっと行ける雲仙もいいですね」
今は遠出もままならない状況です。「はい。近所を散歩する程度しかできませんが、こんなところにこんなものがあったのかと、新しい発見はワクワクします」
本社ビル2階にある情報サロン「ぷらっと五島」では、旅行商品の販売等を行っています。
■企業概要
九州商船株式会社
所在地 | 長崎市元船町16-12 |
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電話番号 | 095-822-9156 |
ホームページ | https://kyusho.co.jp/ |
設立 | 1911年2月 |
代表 | 美根晴幸 |
資本金 | 2億6,000万円 |
社員数 | 正社員234名(男性214名、女性20名) |
初任給 | 大学卒181,730円、高校卒168,340円 |
休日休暇 | 土日祝(週休2日)、年末年始休暇、年次有給休暇 |
福利厚生 | 加入保険(健康・厚生年金・雇用・労災)、退職金制度、育児休業制度 |
インターンシップ 受け入れなど |
インターンシップ受け入れ/無し 大学生アルバイト受け入れ/無し |
採用担当者連絡先 | 095-822-9156(塚元) kyusho-info@kyusho.co.jp |