トップ > 企業検索結果一覧 > 株式会社カネミツ

株式会社カネミツ

■トップインタビュー

取材年:2021年

海外にも4拠点
回転成形などの加工技術を駆使して
新しい商品開発に乗り出す

こちらがリサーチセンターの心臓部「KAVS(Kanemitsu Analyze Virtual Simulation)」。「ある商品は20回ほどシミュレーションで失敗してようやくできたものを本社のテクニカルセンターで一回の実試作で完成しました。実際に金型を作って20回も失敗していたら大変な時間と金額がかかりますが、シミュレーションなので何度でもチャレンジできます」と金光社長。

パソコン上でバーチャル試作

 兵庫県明石市に本社をもつ株式会社カネミツ。その工場とリサーチセンターが長崎市北浦町にあります。金光俊明社長に伺いました。
「当社は創業以来自動車エンジン用の鋼板製プーリの製造で成長してきました。しかし、自動車はガソリンエンジンからハイブリッドや電気に代わり、業界は百年に一度とも言われる大変革を迎えています。そこで、当社では、これまで培ってきた鋼板を主材料とした“回転成形”などの加工技術を駆使した次期商品の開発に乗り出しています。リサーチセンターはそのための研究所。敷地内には工場も併設しています」
 こちらで試作品も作るのですか?
「はい、試作品と言ってもパソコン上でのバーチャル試作です。電気自動車の部品やロボットの部品などを手掛けます。リサーチセンターにおいて作成したバーチャル試作のデータを兵庫県加西(開発拠点)のテクニカルセンターに送り、そこで金型を作り実際に試作するのです。材料の硬さなど多くのデータを蓄積しシミュレーションを繰り返すことでバーチャル試作の精度は上がっていきます。プーリは60年間作ってきたからモデルがありました。しかし新しい商品は手本も教科書もなく、シミュレーションの繰り返しで実現するしかありません。長崎と加西のコラボレーションで商品開発を進めています」

本人次第で海外工場での指導者にも

 長崎で採用する人材はリサーチセンターで働くことになりますか。
「それが問題でね。リアルの金型を見たことがない人は、現場と言葉が通じません。上型、下型、ボルトの呼び名も種類で違いますから、まずは本社で研修します」
 株式会社カネミツは中国、タイ、インド、インドネシアなど海外4カ国に生産拠点を持っていますね。
「はい。若い社員には『今、ご両親が元気ならば、まずは開発拠点のテクニカルセンターや工場など長崎以外で働いてみることを考えてみて。うちは長崎に大きな拠点があるから将来的に帰ってこれる確率は高いよ』と。本人の志次第では、技術や経験を身に付けて海外で外国人を指導する役割を担うことも可能なのです」
 長い目でキャリアを考えることが大事ですね。

PROFILE

金光俊明さん

代表取締役社長

1959年生まれ。兵庫県出身。長崎大学工学部機械工学科卒業。1982年合資会社金光銅工熔接所(現㈱カネミツ)入社、ロボット製作など生産技術や品質保証、営業、経営企画業務を経て1998年常務取締役営業技術本部長に就任。1999年初の海外子会社であるタイ現地法人Kanemitsu Pulley Co.,Ltd.設立。2009年(リーマンショック後の初めての赤字決算時)に社長就任。趣味は早寝早起き、朝4時に手製スムージーをつくる。長崎で一番のお気に入りは「何と言っても長崎工場から見る茂木港(静かな港)」。

■社員インタビュー

取材年:2021年

製品の種類の数だけある手順やルール
品質保証のための勉強に終わりはない
オンリーワンの技術の一画を支える

終業が16時45分なので「定時ダッシュ」すれば道路も混まず、自分の時間も増えます

柴原佑斗さん

商品の品質を調べる計測計器のある一画で。プーリやセンサープレートなどのエンジン部品、エアバッグのインフレ―タなどの品質がここにある機械で調べられます。

会社のHPの「オンリーワンの技術」に一目ぼれ

 「まだペーペーなので、毎日勉強につぐ勉強です」とはにかむ柴原祐斗さんは入社2年目。カネミツに就職を決めたのはなぜでしょう。
「自分は大学時代機械科だったのですが、インターンなどマジメにやっておらず、さて就職という段階になって焦りながら自分で情報収集していました。その時、長崎に新しく進出したカネミツという会社がある、と知人から聞きました。そのHPを見て、1枚の鉄板から独自の鋼板立体造形技術でさまざまなプーリを作っていることに目を奪われました。経営理念にも『オンリーワンの技術』とあり、『すごいなぁ!』と感動し、心惹かれました」

最後の砦「品質保証部」で厳しくチェック

 品質保証部のことですが、どんな仕事をするのでしょう。
「文字通り、長崎工場で作った製品の品質を保証するものです。IATF16949という自動車規格を掌る自動車業界の法律書のようなものがあって、それに基づいてチェックをします。製品の帳票がまわってくるのですが、そこに書かれた情報が正しいか、品質面に問題はないのか、エビデンスを確認します。気になるところがあれば検査グループに依頼して調べることもあります。そうして万事問題なしとなったらサインします。自社だけでなく塗装やメッキ加工などは他社に出すこともあります。そうなるとその処理作業のしくみも理解していないと確認できないため、新たな知識を身に付けて仕事にのぞみます」
 気の抜けないポジションですね。品質保証は最後の砦のような。
「そうですね。専門書を家に持ち帰って読み込むのですが、新しく取り組む商品などは上司からチェックが甘いと言われることもあります。だからまだペーペーなんです。逆に、自分で考えて新たに調べたことが決め手になると、充実感や喜びがありますね」
 と、館内に鐘の音、16時45分です。終業15分前の予鈴ですか?
「いえ、我が社は16時45分が終業なんです。その分昼休みが45分なんですよ。他社より15分早く終わるから道が混まないし、自分の時間も増えます。もちろんその分、逆に仕事も集中してできますよ」

終業が16時45分なので「定時ダッシュ」すれば道路も混まず、自分の時間も増えます

こちらがセンサープレートというエンジン部品。他にミッションやエアバッグなどに使われる部品が続々と製造されています。いずれもオンリーワンの技術を駆使したものばかり。

■企業概要

株式会社カネミツ

所在地 本社:兵庫県明石市大蔵本町20-26
長崎工場:長崎市北浦町2885-1
電話番号 078-911-6645
ホームページ http://kanemitsu.co.jp
設立 1950年
代表 金光俊明
資本金 5億5,607万3,892円
社員数 全従業員 298名 うち正社員266名(男性225名、女性41名)
初任給 大学卒198,500円、高校卒163,500円
休日休暇 土・日(週休2日)、夏季休暇、年末年始休暇、年次有給休暇
福利厚生 各種社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険)、退職金制度、資格取得補助制度、育児休業制度・介護休業制度
インターンシップ
受け入れなど
インターンシップ受け入れ/有り
大学生アルバイト受け入れ/無し
採用担当者連絡先 078-911-6645(総務部 井筒)
 t-izutsu@kanemitsu.co.jp

株式会社カネミツ

オフィシャルSNS