■トップインタビュー
取材年:2023
長崎県中小企業団体中央会は、商店や製造業、サービス業などの中小企業がつくる組合組織の相談、支援などをしています。自身も長崎市中心部の商店街で老舗文具店を営み、商店街組合の顧問などを務めている石丸忠重会長に話を伺いました。
―中小企業が組合をつくるメリットは何ですか。
「個々の企業が目的を持って組合組織を作ることで、共同事業をしたりスケールメリットを生かしたりして利益を享受できるようになります。組合の種類はいくつかあり、建設業や卸小売業など業界等で構成する協同組合、アーケードなどの商店が共同する商店街振興組合、飲食や旅館、クリーニングなど生活衛生に関わる事業者の生活衛生同業組合などがあります」
―中央会はどのような支援をしていますか。
「組合設立のためには国や県などの行政庁から認可を受ける必要があります。当会では定款の作成や事業計画・収支予算の立案、申請書類の作成など、設立までの手続きを支援しています。また設立後も、活動に必要なスキル習得のための講習会・研究会の開催、組合運営に関する相談対応など幅広くサポートしています」
―石丸会長は老舗文具店の経営者として、長崎浜市商店街振興組合などの組合員としても活動してこられました。組合員の立場から見た同会について教えてください。
「個々の組合が力を付けて成長したいという時に、活用したいのが国や県の補助金です。当会からどのような補助金があるのかなどを指導してもらっていました。1998年に実施したアーケードの耐震化工事では多額の資金が必要でしたが、当会に融資・補助金申請や経理の処理の仕方など全部教えてもらいましたね」
―職員の方が働きやすい環境が整っているそうですね。
「女性活躍も推進しており、くるみん認定や健康経営推進企業としての認定も受けています。給与形態も長崎県に準じていて、各種手当てなどの福利厚生も充実しています。当会は組合など500の会員を抱え、多様な業種に寄り添った支援が必要となりますので、職員は業務を通して幅広い視野が培われます」
―求める人材を教えてください。
「長崎に愛着を持ち、県内の中小企業の役に立ちたいと熱い志を持った方に来ていただきたいですね。いろいろなことに興味があって、頑張りたいという意欲がある人にはやりがいのある仕事が待っています。さまざまな中小企業のオーナーさんと接する機会が多いので、人生においても大きな財産になると思います。これまでに培った経験を長崎で活かしてみたいというIターン、Uターンの方も大歓迎です」
―今後の展望をお聞かせください。
「企業経営は常に右肩上がりというわけではありません。苦しい時にどのように支援するかが大事で、中央会の役割はこれからも続いていきます。伴走型による対話と傾聴を基本に据えた支援を引き続き行い、社会経済の変化に対応できるよう会員と共に成長してまいります」
PROFILE
石丸 忠重さん
会長
1948年生まれ、長崎市出身。1979年石丸文行堂入社、1989年同社社長就任。2018年から同社会長。2008年から長崎県中小企業団体中央会の理事を務め、2009年に同会副会長、2012年から現職。他に長崎浜市商店街振興組合顧問や長崎県商店街振興組合連合会相談役、全日本文具事務用品団体総連合副会長などを務める。趣味は読書で、歴史小説を好む。たまにゴルフも。
■社員インタビュー
取材年:2023
当会は職員の資格取得を推進していて、モチベーションアップにつながっています
近藤さん
県内の大学を卒業後、2022年に同会に就職し、工業振興課で主に食品や製造業関係の会員組合を担当している近藤さん。同じ仕事をしている全国の仲間と支え合い、充実した日々を送っています。
―長崎県中小企業団体中央会を就職先に選んだ理由を教えてください。
「大学では景気動向など地域経済について学んでいました。大学3年時にコロナ禍になって、地域の信用組合が困っている大学生向けにご飯を無料で提供する取り組みを手伝う機会があり、中小企業の温かさを感じました。これらの大学での経験が当会の事業にも通じるものがあるのではないかと興味を持ち、また女性活躍を推進していてライフステージに合わせた働き方ができること、資格取得のために学ぶ環境が整っていることにも魅力を感じました」
―どのようなお仕事をされていますか。
「担当している組合の決算書などの書類作成や相談対応を行っています。当会が毎年度作成している県内の中小企業800社を対象にした『中小企業労働事情実態調査報告書』の取りまとめや、食品製造業者向けに販売力強化を目的としたセミナーの開催準備、農山漁村発イノベーション(旧6次産業化)事業の実施などもあります」
―農山漁村発イノベーション(旧6次産業化)事業とは何ですか。
「1次産業の事業者が生産物に付加価値をつけて販売し、収入増を目指す取り組みです。取り組みに合った専門家の派遣などをして、じゃがいも農家の方がマッシュポテトの商品を作って商談会に出展するという事例もありました」
―仕事のやりがいを教えてください。
「食品製造や商店街、観光業など幅広い事業者の方とお話する機会があるので、いろいろな世界をのぞくことができます。離島を含めて県内各地を訪問するので、知らなかった土地や食べ物など、長崎県の魅力を改めて知ることができるのも楽しいです」
―全国に同じ仕事をする仲間がいるそうですね。
「中小企業団体中央会は都道府県ごとにあるので、同じ業務にあたっている仲間が全国にいます。九州、全国の単位で研修があるので交流ができ、情報共有や悩み事の相談など、何かあったら連絡できる仲間がいて心強いです」
―最後に今後の目標を聞かせてください。
「組合の方が困った時に、とりあえず相談してみようと思っていただけるような指導員になりたいです。まだ知識、経験が足りないので、誠実な対応を心がけて信頼関係を築けるように努力しています。『その内容であれば、この機関に相談すると良いですよ』などと、つなぐ役割も担えるようになりたいです」
当会は職員の資格取得を推進していて、モチベーションアップにつながっています
長崎県中小企業団体中央会
近藤さん
全国の中央会の仲間と旅行に
各都道府県の中小企業団体中央会で働く仲間と研修で知り合い、交流を深めている近藤さん。入職2年目の夏には休みを調整して5人ほどで2泊3日の沖縄旅行をしたそうです。水族館など観光も楽しみましたが、一番盛り上がったのは仕事についてのおしゃべり。「とにかくしゃべりました」と振り返り、リフレッシュした様子です。
休日は家でゆっくり過ごすことが多いですが、現在は中小企業組合士の資格試験にチャレンジするため図書館に通って勉強も頑張っています。
中央会が県内事業者を取りまとめて出展した「スーパーマーケット・トレードショー2023」
■企業概要
長崎県中小企業団体中央会
所在地 | 長崎市桜町4番1号 長崎商工会館9階 |
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電話番号 | 095-826-3201 |
ホームページ | https://www.nagasaki-chuokai.or.jp/ |
設立 | 昭和30年10月25日 |
代表 | 会長 石 丸 忠 重 |
資本金 | - |
社員数 | 全従業員 19名 (内 正社員17名、男性12名、女性5名) |
初任給 | 196,200円(R6.4 大学新卒) |
休日休暇 | 年間休日130日(年末年始休暇、夏季休暇5日間) |
福利厚生 | 長崎市勤労者サービスセンター加入 |
インターンシップ 受け入れなど |
インターンシップ受け入れ/有り 大学生アルバイト受け入れ/無し |
採用担当者連絡先 | 氏名:野村正人 電話番号:095-826-3201 メールアドレス:soumu@nagasaki-chuokai.or.jp |
長崎県中小企業団体中央会
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