■トップインタビュー
取材年:2023
株式会社デンソーウェーブは、自動車部品メーカーの株式会社デンソーのグループ会社で、2020年4月に長崎市内に研究開発拠点「長崎ソリューション開発センター」を開所しました。長崎県の地域課題の解決をきっかけに全国、世界に販売できるサービスの開発にチャレンジしている鈴木センター長にお話を伺いました。
―主な事業内容を教えてください。
「自動車部品の生産現場を支える産業用機器の開発・製造・販売のほか、1994年にデンソーが開発したQRコード(※)、コンビニのレジで使用されているバーコードリーダ、電波でデータを読み取り、商品の棚卸しの業務効率を飛躍的に高めるRFIDなど長年培ってきた技術とノウハウを生かした製品を社会に提供し続けています」
―RFIDはさまざまな業界で活用されているのですね。
「例えば、アパレル業界の棚卸しは数万点の商品を検品しなければなりません。RFIDは離れた場所から一気に情報を読み取ることができるので、これまで複数名で何時間も掛ける必要のあった棚卸し作業が10分の1の時間に削減できます。大手アパレル店舗のレジで商品を一括読みする処理も当社の技術が使われています。お金の情報を扱うため、お客様に迷惑が掛からないよう品質面には特にこだわっています」
―長崎県内での製品開発の事例を教えてください。
「長崎県では、建物内で迷わせずに行き先を案内するスマートフォンアプリを長崎大学と共同研究テーマとして開発したほか、長崎市などと連携し、QRコードを用いたスタンプラリーやクーポン配布により、人流データを把握し地域の賑わいを創出する取り組みなどを実施した事例があります」
―今後の展望について聞かせてください。
「人手不足が顕著な1次産業や介護などの業界では、働く人が一生懸命愛情を持って仕事をしているのに報酬は低く、ずっと忙しい状態が続いています。こうした現場で働く人の『今を助けるサービス』を当社の技術やノウハウを生かして生み出し、力になって行けたらと考えています」
―若者にPRしたいことは。
当社は社員一人一人の個性や思いを大切にする風土で、若手でもアイデアを実現し、成長できる環境・制度が整っています。フレックスタイム制やテレワークの活用、有休取得推奨などワークライフバランスが取りやすいのも特徴です。また、製品(モノ、コト)の企画、開発、製造、販売、保守サポートといったさまざまな職種の経験も可能です。
―どのような人材を求めていますか。
「これまでは言われたものを作ってしっかり納品すればよかった部分もありましたが、今の時代はそれだけでは商品は売れません。お客様の現場を知り、課題を見つけて形にすることが求められています。現状に満足せず『自分発信で世の中をよくしていく』という仕事にチャレンジし、自ら考え、動き、解決できる人と一緒に働きたいと願っています」
※QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
PROFILE
鈴木 智仁さん
長崎ソリューション開発センター長
1975年愛知県生まれ。関西大学工学部卒業。1998年株式会社デンソー入社、2001年株式会社デンソーウェーブに出向。システムエンジニアとしてQRコードの読み取り機のソフトウェア開発などを手掛ける。2020年から現職。趣味は釣り、キャンプ、お城巡り。
■社員インタビュー
取材年:2023
新しい発想が受け入れられる風土で若い人にもチャンスがあります
井上 昂大さん
長崎市出身の井上昂大さんは県外の大学院を卒業後、2016年に県外の電機メーカーに就職。2021年にUターンし、株式会社デンソーウェーブに転職しました。人口減少をはじめとする長崎県が抱える課題に向き合いながら「地元長崎の地域活性化に貢献したい」と願い、日々知恵を絞っています。
―長崎にUターンしたきっかけは。
「結婚して子どもが生まれたタイミングだったのと、長崎市の転出超過数が全国ワースト1位というショッキングなニュースを知ったのがきっかけでした。コロナ禍で頻繁に帰省できない中、地元との距離が物理的にも心理的にも離れていると実感。近くに頼れる家族や友人がいる長崎市で生活しながら地域活性化に貢献できる仕事がしたいと考えるようになりました」
―転職先に選んだ決め手は。
「転職先を探す中で、長崎が抱えるさまざまな分野の課題解決に挑んでいる株式会社デンソーウェーブのことを知りました。ソフトウェアの設計者として働いていた前職での経験を生かしつつ、自分のやりたいことを実現できる会社だと思ったことが決め手でした」
―現在はどのような業務をしていますか。
「さまざまな業界が抱える課題を現場視察やヒアリングを通じて吸い上げ、当社の技術やノウハウを生かして解決につながるような提案をするほか、行政や大学などと協力して、プロトタイプを設計・開発し、実証も行っています」
―仕事のやりがいは。
「自分たちが提案したアイデアが採用され、感謝の言葉をいただいたときや感動してもらったときに、小さな一歩ですが地元に貢献できたと思える瞬間があります」
―今後の目標を教えてください。
「まだまだ成果が少なく、当社の知名度も長崎県内では高くないと感じています。人口減少が進む一方で、1次産業や介護など維持しなければならないサービスはたくさんあります。当社も私自身も困ったときに頼られる存在になれるように課題解決につながるアイデアを生み出し、地域と産業の活性化に貢献したいと考えています」
新しい発想が受け入れられる風土で若い人にもチャンスがあります
株式会社 デンソーウェーブ
井上 昂大さん
すべてはよりよい提案のために
9:00 出社
・メールチェックから始まり、午前中は情報収集やヒアリング準備、提案書作成などを進める
12:00 昼休み
13:00 打ち合わせ・会議など
・オフィスメンバーで昼礼後、現場視察やヒアリング/提案活動へ
16:00 帰社
・ヒアリング結果をまとめ、アイデアとしてフィードバックさせ、ソリューション案のデモを作成する
18:00 退社
持ち運び可能な産業用人協働ロボットのCOBOTTA。さまざまな現場ですぐに作業を自動化できるのが特長です。
■企業概要
株式会社 デンソーウェーブ
所在地 | 本社:愛知県知多郡阿久比町大字草木字芳池1番 |
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ホームページ | https://www.denso-wave.com/ja/ |
設立 | 2001年 |
代表 | 相良 隆義 |
資本金 | 4億9,500万円 |
社員数 | 全従業員 1,247名 (内 正社員1237名、男性1038名、女性199名) |
初任給 | 修士了/ 250,000円、大卒/ 227,000円(2023年4月実績) |
休日休暇 | 完全週休2日制(土・日)、GW・夏季・年末年始休暇 年間休日121日、有給休暇、特別休暇 |
福利厚生 | 退職金・企業年金基金・持株会(デンソー株) 選択型福利厚生制度(カフェテリアプラン)、独身寮(借り上げ物件) 等 |
インターンシップ 受け入れなど |
インターンシップ受け入れ/有り 大学生アルバイト受け入れ/無し |
採用担当者連絡先 | 氏名:西山、戸田 メールアドレス:saiyo_dnwa@denso-wave.com |