■トップインタビュー
取材年:2018年
稲佐山中腹にたたずむ稲佐山観光ホテルは、世界新三大夜景に認定された美しい夜景を一望できる宿です。その歴史は1940(昭和15)年創業の小さな旅館に始まり、観光の街・長崎の発展とともに歩んできました。
「原爆で旅館が焼失し、戦後は材木業から再出発。祖父が1952年にふたたび旅館を始めるのですが、お客様へのおもてなしを通して、世界平和に貢献したいという思いがあったそうです。現在も企業理念に掲げ、その思いを受け継いでいます。昭和初期からここまで、観光素材が豊富なこの街に支えられてきました。いまは『長崎に行きたいからこの宿に泊まる』ではなく、『この宿に泊まりたいから長崎へ行く』と、私たちの方が選ばれなければならない時代です」
個人旅行、修学旅行、社員旅行など幅広い客層が特徴ですね。
「多種多様なお客様のご期待にお応えすることは難しくもありますが、いろいろなシーンで思い出に残る、高品質でアットホームな旅館を目指したいと考えています。改めてブランドを構築している途中ですが、おかげさまでインターネットの口コミ評価が3点台から4点台に上がり、少しずつ手ごたえを感じています。2018年4月には、ホテルの耐震工事と客室のリニューアルが完了しました。『じゃらんOF THE YEAR泊まって良かった宿大賞(夕食)』で、思いがけず第2位に選んでいただいたんですよ。長崎だけでなく、九州全体の観光をひっぱっていけるような旅館になることが、地元への貢献にもつながると思います」
旅館業にはさまざまな職種があります。働きがいという点ではいかがでしょうか?
「お客様と接する機会が多いところが旅館の良さです。帰り際に笑顔でかけていただく、『来て良かった』という言葉に勝る喜びはないですね。リニューアルも完了したことで、これからそういう機会がますます増えていくでしょう。また、年々海外からのお客様も増加していますので、セールス対象は国内だけに留まりません。営業活動を通して、国内外の旅行会社の方々と信頼関係を構築していけるところも魅力です。最近は外部講師をお呼びして、社内研修も行っているんですよ。今後さらに、社員が成長できる環境を整えることも課題ですね」
PROFILE
小林央幸さん
専務取締役
長崎市出身。法政大学卒業後、2003年稲佐山観光ホテル入社。翌年1年間、長崎県観光連盟に出向し、県全体の観光事業にも携わる。2010年より専務取締役就任。長崎商工会議所青年部にも在籍。
■社員インタビュー
取材年:2021年
入社後の経験は次世代へとつなぎたい何者にも代えがたい財産です
柴崎玲菜さん
ホテルはやはり寝食がメイン。レストランでの料理出しでは「どのタイミングでどのお料理を出すのが、そのお客様にとって心地よいか、といったことを計算しながら接客しています。」と柴崎さん。
稲佐山観光ホテルで主に接客業を担当する柴崎玲菜さんは、今年で7年目。高校卒業と同時に当ホテルに入社しました。
「当時は“就職する”ということ自体が一大イベントで、それまで高校生だった私にとって、希望の職種や自分の適性を絞りきることはできていませんでした。どういう企業や仕事が合っているのか…まだ漠然としていた時、高校の就職課を通して弊社の求人情報を知って、思い切って応募することにしたんです」
実際に入社してみていかがでしたか?
「とにかく覚えることが多かったので、とても大変でした。もちろん先輩や上司がサポートしてくれましたが、どこまで頼っていいのか分からず、一人で頑張って、失敗して、怒られて…という経験もあり、辞めたいと思うことも正直ありました。でもその度に、毎日少しずつでもできることが増えていく“経験”を放棄するのはもったいないと思い直し、気づけば7年。今はお客様の笑顔を目にしたり、『ありがとう』の一言を聞くと、この仕事を続けてきてよかったと思えるようになりました」
接客と一言でいっても、さまざまな仕事があるようですね。
「はい、私の所属先はCS(Customer Satisfaction)部、つまり接客業を通じてお客様にご満足いただくのが最大のミッションです。具体的には、宴会やレストランでの配膳から修学旅行生の各種対応まで、その内容は幅広く、お客様の年齢層もさまざまです」
今後の目標は?
「2021年夏には係長に昇進しました。お客様に満足していただける接客を心がけることはもちろん重要ですが、同時に、教育する側としての責任も大きくなりました。7年前、入社後に思い悩んだあの経験を生かして、若手にとって働きやすい環境を整えるのもまた自分の役割だと感じています。『相談してみよう』という“頼る姿勢”もまた成長につながるような職場づくりにも貢献したいですね」
入社後の経験は次世代へとつなぎたい何者にも代えがたい財産です
株式会社稲佐山観光ホテル
柴崎玲菜さん
オフタイムは好きな趣味に没頭して体と頭を休ませて
休みの日は基本的に家で好きなことをしながら過ごすという柴崎さん。「今ハマっているのは、ゲームやアニメ鑑賞ですね。最近のゲームは日々アップデートされるので、ゴールというものがなく、ついついやりすぎてしまいます(笑)」。接客業で常に人と接し、頭や体をフルに使うため、好きなことに没頭できる一人だけの時間は、何よりものリフレッシュタイム。「オンとオフのメリハリを大切にすることが、仕事へのやる気にもつながっていると思います」と笑顔で話します。
リニューアルされた和洋室からは、長崎が誇る美しい夜景を一望。そのほか館内には、展望大浴場、庭園風露天風呂を完備しています。
■企業概要
株式会社稲佐山観光ホテル
所在地 | 長崎市曙町40-23 |
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電話番号 | 095-861-4151 |
ホームページ | http://www.inasayama.co.jp |
設立 | 1949年 |
代表 | 小林秀顕 |
資本金 | 5,000万円 |
社員数 | 全従業員 166名 うち正社員70名(男性69名、女性97名) |
初任給 | 144,420円 |
休日休暇 | 月に7日 |
福利厚生 | 加入保険(雇用・労災・健康・厚生・財形) 退職金制度あり(勤続3年以上) |
インターンシップ 受け入れなど |
インターンシップ受け入れ/有り 大学生アルバイト受け入れ/有り |
採用担当者連絡先 | 095-861-4152(冨塚) tomizuka@inasayama.jp |